この本の男性をご存じでしょうか?
スラリとして高身長のワイルドな風貌。
モデルや俳優ではありません。
「神」とか「キング」とか呼ばれる、
サッカーファンなら言わずと知れたワールドクラスの現役サッカー選手です。
ちょっと大げさな呼び方だと思われがちですが、
彼の言動や性格を知れば知るほど、その呼び名にふさわしいと納得です。
移籍する先々で成功を勝ち取り、次々と所属チームでのリーグ優勝を成し遂げています。
悪童として語られることが多いのですが、その絶対的な自信はファンを魅了し続け
様々な名言がマスコミから発信され続けることでも有名です。
目次
ズラタン・イブラヒモビッチとは
スウェーデン・マルメ出身のサッカー選手。
ポジションはフォワード。
生年月日 1981年10月3日(38歳 2019年11月現在)
身長 195cm
体重 95kg
この本に書かれていること
幼少期~青年期のイブラヒモビッチ
複雑な家庭に生まれ育ち、決して恵まれた環境で育ったとは言えない少年時代に、
団地の中庭やミニサッカーコートでいつもボールばかり蹴っていたそうです。
特に父親にはこの上なくリスペクトしており、子供が助けを必要としたとき
全力で家族を庇う父親の姿を讃えています。
自身が父親になった今、ときおり映像でも子煩悩ぶりを見せていますが、
ルーツはここに有るようですね。
最初に所属したのはMBI(マルメ・ボール・スポーツ・アソシエーション)というクラブで、
当時6歳だったそうです。
子どものころの貴重なズラタンの写真も載っています。
マルメFF~アヤックス時代のイブラヒモビッチ
「大事なことは勝つことではなく、トリックプレーを見せつけること」と豪語するイブラですが、
確かにアヤックス時代にドリブル突破からのゴールという伝説的なシーンもありますから、
当時からこういうプレーで魅了していたのでしょう。
その恵まれた体格からアクロバティックで芸術的なゴールを量産するシーンが印象的なイブラですが、
類いまれな足元の技術の高さもワールドクラスです。
サッカーの他にも自転車が好きで、よく文中に登場します。
当時から悪さも一流(?)だったようで、自転車を盗んだり、逆に盗まれたりします(笑)
※皆さんは真似しないように!
また、妻のヘレナさんとの出会いもこのころで、気を引くためにとった様々な手段が
語られています。
ミーノ・ライオラと出会うイブラヒモビッチ
代理人のミーノ・ライオラとの出会いについて、契約までの会話のやり取りや
人間性の相性なども書かれています。
ライオラといえば、今や多くのスター選手を抱え込み、移籍シーズンのたびに
その名を記事で見ない日が無いというくらい有名な敏腕代理人ですね。
ビッグクラブやメガクラブ相手に戦略的に交渉をまとめ続ける彼のやり方は
賛否両論ありますが、手腕はやはり一級品と認めざるを得ません。
(私はフットボールファンとして、個人的にライオラのやり方に否定的ですが)
ユヴェントス~インテル時代のイブラヒモビッチ
ビアンコ・ネロ(ユベントスの愛称)で当時指揮を執っていた鬼軍曹ことファビオ・カペッロ監督と出会うことになります。
世界有数のクラブを渡り歩き、その先々で最高峰の監督たちと接してきたイブラは
時としてぶつかったり、言うこともまともに聞かなかったりする姿が散見されますが、
カペッロ監督に対しては、イブラも信用して素直にアドバイスや指示に従っていたのが興味深いです。
後にインテルに移籍するわけですが、イタリアでの苦悩や日常・文化などが語られ、
移籍金や年俸の詳細まで語られており、スター選手にのし上がっていく様が
とてもリアルに 記されています。
また、テレビゲームも好きで明け方まで楽しみ、2~3時間寝て練習に向かうなんてこともあったそうですが、
このころにはゲームは10時まで!と自分に言い聞かせ、ルールを決めて生活を送ったそうですが、
まるで受験生のようですね。
(それにしても、海外のサッカー選手はゲーム好きが多い)
FCバルセロナ時代のイブラヒモビッチ
エトー+移籍金4600万ユーロという歴史的トレードでバルサに移籍することになります。
ここでも輝かしい活躍を見せるはずだったにも関わらず、イブラにとってはやはり、期待に応えたとは言えない結果でした。
よく噂されたグアルディオラ監督との確執があったことや、
一部のチームメイトと相性が合わないことなどが語られています。
本人の言葉なのでとてもリアルで、目からウロコなエピソードもありました。
そしてついにACミラン時代のイブラヒモビッチ
当時ミランで副会長を務めていたガッリアーニが用意したプライベート機でイタリア・ミラノへ。
ミランでチームメイト達から歓迎されたことや、5年前から獲得を熱望していた当時の会長の
ベルルスコーニ(元イタリア大首相)とのエピソードが記載されています。
ロッソ・ネロ(ACミランの愛称)の一員となり、見事完全復活を遂げたイブラの
私生活から独自の努力、気の合う選手(悪名高いカッサーノ等)との逸話など
ここでしか読めない内容が書かれています。
この本ではここまでを語ったイブラヒモビッチ
この本が出版されたのは2011年11月時点なので、ここまでの内容です。
ちょうど、ACミランで大暴れしている絶好調のシーズンです。
(ACミランを愛するミラニスタとしては 、とても感慨深いわけです。。。)
後に同じくミランのCBで活躍したチアゴ・シウバと共にリーグ・アンのPSG(パリ・サンジェルマン)へ
移籍することになるわけですが、そこではかの有名な
「王としてやって来て、伝説として去る」
という名言を残しますね。
その後はマンチェスター・ユナイテッドを経て、現在のLAギャラクシーへと移籍します。
I AM ZLATAN のまとめ
この本を読んで、イブラヒモビッチという勝者についてさらに興味が湧きました。
イブラ節が炸裂する名言が度々マスコミに取り上げられますが、どれも強烈で
インパクトも大きく、もちろん本書でも取り上げられています。
むしろ、本書でしか見られない名言も多く、さらにイブラ口調(「俺が~」とか「冗談だろ?」など)で
翻訳されているので、余計に臨場感満載です(笑)
もしかしたら、イブラヒモビッチが何者かよく知らなくても笑いながら読めるかもしれません。
それくらい、翻訳のレベルが高いのだと思います。
釣りや狩りも好きで島を購入してみたり、勝者の精神を持ち続ける男の考え方や価値観だったり、
いちサッカー選手としてという枠を飛び越えて知ることのできる、魅力の詰まった一冊です。
最後に
ちなみに、最近ではACミランへの移籍の噂が再浮上し、かなり活発化しています。
イブラの場合は移籍シーズンになると毎回のことなので一喜一憂できませんが、
もし実現したら?と考えずには居られません。
(個人的には実現してチームに喝を入れてくれたら、CL圏内に押し上げてくれそうな気がしてなりませんが、今シーズンも無理かなぁ)
これからもいろんな意味で注目すべき選手の一人!の自伝の紹介でした。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。